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資産運用
2024.04.08

2024年にスタート!新NISA制度の変更点と、今から準備しておきたいこと

新NISA制度がスタートして3か月が経ちました。新NISA制度に興味がある!新NISA制度を活用して資産形成したい!と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。改めて、新NISA制度の変更点と準備しておきたいことを確認していきましょう。

1. NISAって何?

まずは、旧NISA制度を確認しておきましょう。

 

NISA制度は2014年にスタートした少額から投資を行うための非課税制度です。

株や投資信託などに投資した場合、売却して利益が出た際の譲渡益や、投資した商品から得た配当金や分配金に対して約20%の税金がかかりますが、NISA口座で取引した場合、この譲渡益や配当金、分配金に対してかかる税金が非課税となります。

 

例を挙げると、40万円で購入した株を60万円で売却して20万円の利益が出た場合、20万円の譲渡益に対し約20%である約4万円の税金がかかるため、手取りは約16万円となります。これが、NISA口座で取引した場合には、この譲渡益にかかる税金が非課税となるため、手取りが20万円となります。

 

なお、旧NISA制度では、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類がありました。一般NISAの場合の非課税投資枠は120万円で、非課税で投資できる期間は最大5年間。つみたてNISAの場合の非課税投資枠は40万円で、非課税で投資できる期間は最大20年間です。一般NISAとつみたてNISAの併用はできず、どちらかのみ利用可能です。

※ジュニアNISA制度は2023年末で終了となります。

 



2. 新NISA制度はどう変わった?

続いて、新NISA制度では旧NISA制度からどう変わったのかを確認していきましょう。

 

まずは、旧NISA制度で「つみたてNISA」と呼ばれていたものが、「つみたて投資枠」に、「一般NISA」と呼ばれていたものが、「成長投資枠」に名称変更されました。新NISA制度は、現行の制度に比べて年間投資枠が拡大され、非課税保有期間も無期限化されるなど、制度が拡充されます。

 

【新NISAへの変更点】

・年間投資枠の拡大

年間投資枠が拡大し、年間で360万円まで投資可能となりました。この年間上限の360万円のうち、「つみたて投資枠」は年間120万円、「成長投資枠」は年間240万円が上限となります。

 

・非課税保有期間の無期限化

非課税保有期間が無期限化しました。そのため、期限の定めなく、非課税での運用が可能となります。

 

・つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能に

「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能となり、両方の枠を組み合わせて利用が可能となります。

 

・非課税保有限度額が、1,800万円に拡充し、枠の再利用が可能に

非課税で保有できる限度額が1,800万円に拡充されました。(うち、成長投資枠は1,200万円迄)併せて、売却した分の投資枠は復活して、再度1,800万円までの投資枠を利用することができ、利便性も高くなるといえるでしょう。

※新NISA制度で口座を開設できるのは、2024年1月1日時点で18歳以上の人が対象となります。

3. NISAのデメリットも確認しておきましょう

NISA制度を利用する上で、デメリットも確認しておきましょう。

 

NISA口座で利益が出た場合は、税金が非課税となるためメリットがありますが、投資にはリスクが伴うため、NISA口座で利益が出るとは限りません。もし損失が出た場合には、他の課税口座の商品から生じた利益と相殺ができないというデメリットがあります。

 

例を挙げると、課税口座Aで50万円の損失が発生し、課税口座Bで40万円の利益が出た場合、損益通算で相殺できる場合には、トータルで10万円の損失となり、損益が0円以下なので税金がかかりません。更に10万円の損失は、繰越控除で翌年の利益と相殺できます。これが、NISA口座で50万円の損失が発生し、課税口座Bで40万円の利益が出た場合には損益通算が出来ません。そのため、課税口座Bの40万円の利益に対して税金がかかります。併せて、50万円の損失を翌年に繰り越すことはできません。

 



4. 新NISA制度を活用する前に、まずは事前準備を!

新NISA制度がスタートしたといっても、何を準備しておけばわからないという人へ、今から準備しておきたいことを確認していきましょう。

 

《NISA口座を保有していない人》

NISAで取引するには、NISA口座を開設する必要があります。

現行のNISA制度を利用していない場合でも、2023年中にNISA口座を開設しておくといいでしょう。取り扱っている商品や手数料などを比較して、どの金融機関でNISA口座を開設するか検討しましょう。

なお、NISA口座は、1人につき1つの口座しか開設することができず、口座を開設した後の金融機関の変更は年に1回しかできません。

 

《NISA口座を既に保有している人》

現行のNISA口座を保有している人は、同じ金融機関に自動的に新NISA口座が開設されますので手続きは不要です。

また、現行のNISA口座で投資した商品は、現行制度の非課税措置が適用されるので、売却の必要はありません。

なお、新NISA制度がスタートしたら、現在と異なった金融機関でNISA口座を開きたいという人は、2023年中にNISA口座の移管をしておくと、新NISA制度のスタートがスムーズです。現在利用しているNISA口座を開設している金融機関に確認し、手続きを進めておきましょう。

5. 新NISA制度を活用するために

・投資資金を準備しておく

新NISA制度では、非課税投資枠が拡充され、年間360万円まで投資が可能です。非課税投資枠を利用するためには、投資資金を用意する必要があります。

これをきっかけに、家計の見直しをして無駄を省くなど、無理のない範囲で投資にまわすお金を用意し、新NISA枠を有効に活用していきましょう。

なお、投資には値下がりのリスクも伴うので、生活に必要なお金を投資資金にすることなどはせず、余裕資金を投資に利用するよう注意しましょう。

 

・どんな商品に投資するかをチェックしておく

新NISA制度には「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があります。

投資対象となる商品は、「つみたて投資枠」では、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託、「成長投資枠」では上場株式、投資信託等となります。新NISA口座ではどんな商品を購入するか、投資に関する情報収集をしておくといいでしょう。

新NISA制度のスタートにより、投資枠が広がり、非課税保有期間の無期限化もスタートし、貯蓄から投資への流れが加速するでしょう。新NISA制度を活用して、資産形成のスピードアップを目指せるよう、今からできる準備をしていきましょう。

 



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この記事を書いたのは

岩本 梢いわもと こずえ

ファイナンシャルプランナー(AFP)・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー
ファイナンシャルプランナーの資格を取得してから、お金に働いてもらうことを意識するようになり資産運用をスタート。日本株、米国株、投資信託、債券、ロボットアドバイザー、金銀プラチナ積立、ソーシャルレンディング、不動産などへの投資を実践している。
10年以上の資産運用経験をもとに、資産運用やお金に関する記事執筆やアドバイスを行っている。

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