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子育て
2023.03.18

男性の育休取得率「2030年度に85%」へ。世界一と評価された日本の育休制度を活かすために!

世界一と評価されたことのある日本の育休制度。※1 令和3年度の男性の育休取得率は過去最高になりましたが、世界と比較すると日本の男性の育休取得率はまだ低い状況です。
今回は日本の育休の現状と、昨年10月から始まった「産後パパ育休(出生時育児休業)」についてご紹介します。

1. 夫婦が1日のうち育児・家事に費やす時間は?

令和4年版厚生労働白書「社会保障を支える人材の確保」によると、6歳未満の子どもをもつ親が1日のうち育児、家事に費やす時間は夫が1時間23分、妻が7時間34分という結果になりました。

 

出典:厚生労働省「厚生労働白書ホームページ」

 

男性も育児や家事に積極的に関わり、育児や家事を分かち合うことが浸透しつつありますが、まだ女性が主体となって育児や家事をしている傾向があるようです。

2. 男性の育休取得率は過去最高を更新

そこで、男性も育休を取得して積極的に育児に参加しようという流れが加速しています。

 

厚生労働省「令和三年度雇用機会均等基本調査」によると、女性の育休取得率は85.1%、男性は13.9%となりました。

 

ポイント
男女で育休の取得率に差がありますが、男性の育休取得率は右肩上がりに増えており、令和3年は過去最高を更新しています。

 

出典:厚生労働省「令和3年度雇用均等基本調査」

3. 日本の育休制度は世界一と評価されたことも

ユニセフ(国連児童基金)が令和3年に発表した報告書『先進国の子育て支援の現状』によると、日本の子育て支援策の総合順位は21位で、「育児休業制度」の項目では1位※1でした。 特に男性が取得できる育休の期間が長いことが紹介されています。

 

日本は世界一と評価された育休制度があるにも関わらず、男性の育休取得率は約14%と世界的に見て低いことが指摘されており、残念ながら制度を十分に生かせていないことが課題です。

 

ポイント
政府は、2025年までに男性の育休取得率30%とする現在の目標から、2025年に50%、2030年に85%へ引き上げると表明しました。

 

目標達成に向けて様々な取り組みが始まっています。

 

出典:公益財団法人 日本ユニセフ協会「子育て支援策新報告書『先進国の子育て支援の現状』」

4. 産後パパ育休(出生時育児休業)が令和4年10月からスタート

女性側に偏りがちな育児や家事の負担を夫婦で分かち合い、男性も女性も働きやすい社会を目指すことで少子化対策や女性の社会進出の促進などにもつながっていくことを背景に、令和4年10月より産後パパ育休(出生時育児休業)がスタートしました。

 

令和4年9月30日までは青枠で囲んだ図のような育休制度となっており、育休を取得する場合は1か月前までに原則申出が必要である点や、育休を分割して取得することは原則不可であったことなど制度の使いにくさが指摘されていました。

男性の育休取得率「2030年度に85%」へ。世界一と評価された日本の育休制度を活かすために!

 

令和4年10月1日からスタートした産後パパ育休では、赤枠で囲んだ図のように育休を分割して取得できるようになり、子どもの出生直後に男性が育休を取得しやすくなったことも特徴です。

 

男性の育休取得率「2030年度に85%」へ。世界一と評価された日本の育休制度を活かすために!

 

出典:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」

 

これまでは、仕事の関係でまとまった期間の育休を取ることが難しい場合、育休取得を諦めるケースがありましたが、分割して育休を取得できるようになったことで育休を取得しやすくなりました。

これにより、産後の退院時の付き添いや、産後の寝不足が続く時期のサポート、職場復帰のタイミング、夫婦が育休を途中交代できるなど、柔軟に育休を取得できるようになっています。

 

5. 育休中の収入はどれくらい?

気になる育休中の収入ですが、育休中は「育児休業給付金」が支給されます。

 

これまで育休開始から180日間は賃金の67%、それ以降は50%となっていました。ただし、育休中は社会保険料が免除されるため実際の手取り収入は育休取得前の8割程度でした。

 

ポイント
政府は育休中の賃金の67%を80%に引き上げる方針で、この間は社会保険料が免除されることから実質の手取り収入は育休取得前と同等となります。

 

また、産後パパ育休では労使協定を締結している場合に限り、一定の範囲で育休中に就業することも可能で柔軟な内容になっています。※これまでの育休制度では就業は原則不可。

 

6. 令和5年4月から男性の育休取得率等公表が義務化

今後も働きやすい社会に向けて様々な制度がスタートしていきます。

 

ポイント
令和5年4月から、従業員数が1,000人を超える企業は男性の育児休業等の取得状況を年1回公表することが義務付けられます。

 

共働き世帯がふえている現代、従業員にとって働きやすさやワークライフバランスは益々重視されています。育休取得率の公表義務化は、企業の人材獲得時に自社をアピールする際のポイントのひとつになりそうです。

 

今後も、働きやすく充実したキャリアを男女平等に築けるような、より良い制度が新設・拡充されることを期待しています。

 

男性の育休取得率「2030年度に85%」へ。世界一と評価された日本の育休制度を活かすために!

この記事を書いたのは

松田 梓まつだ あずさ

ファイナンシャルプランナー。
Riche編集長。
大学卒業後、大手通信会社へ総合職として入社し、広報・PRに従事。その後、大手生命保険会社を経てFPとして独立。資産運用やお金に関する記事執筆を多数行っている。
2012年に株式投資を開始。難しい資産運用について分かりやすく、楽しく情報発信しているブログがきっかけとなり、FPとして女性のお金の不安を払拭するため株式投資の売却益を資本金に会社を設立。女性のお金とキャリアをテーマにしたWEBメディア「Riche」を運営している。
プライベートでは一児の母。

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