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INTERVIEW

プロポーズ直後に乳がんが発覚。乳がんの手術から 10 年が経ち、今、伝えたい「がん」の話。 「ピンクリボンアドバイザー」津田 絵里子さんインタビュー

INTERVIEW

プロポーズ直後に乳がんが発覚。乳がんの手術から 10 年が経ち、今、伝えたい「がん」の話。 「ピンクリボンアドバイザー」津田 絵里子さんインタビュー
2023.08.23

プロポーズ直後に乳がんが発覚。乳がんの手術から 10 年が経ち、今、伝えたい「がん」の話。 「ピンクリボンアドバイザー」津田 絵里子さんインタビュー

今回はピンクリボンアドバイザーとして活動されている津田絵里子さんにお話を伺いました。
プロポーズ直後に発覚した遺伝性の乳がんに罹患し、妊娠、出産、お仕事再開を経て、現在は子育てとお仕事の合間にピンクリボンアドバイザーとしても活動されている津田さんにインタビューしました。

--とっても明るくお元気な津田さんなので、乳がんに罹患された過去を知り、驚きました。プロポー ズ直後に乳がんが発覚されたんですよね。

 

(津田さん)プロポーズの半年ぐらい前から違和感がありました。でもまさか、20 代や 30 代の若さで乳 がんに罹患するとは思わずで・・・。

 

会社の健康診断では異常はなく、しこりには気づいていたものの仕事の忙しさや怖さなどを理由に足が遠のき、詳しい検査には行っていませんでした。プロポーズを受けた頃から痛みが出てきて、夫からの強い後押しもあり検査を受けたところ乳がんが発覚しました。

 

母が乳がんを経験しているのですが、母のように 40 代や 50 代で罹患する病気という認識でし た。 検査をすると遺伝性のがん(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)であることが分かり、母から謝られたこともありましたが、アドバイスをたくさんもらえたので、身近に経験者がいることは心強かったです。

 

プロポーズ直後に乳がんが発覚。乳がんの手術から 10 年が経ち、今、伝えたい「がん」の話。 「ピンクリボンアドバイザー」津田 絵里子さんインタビュー

乳がんは30代後半から増え始める女性特有のがんです。
【出典】:国立がん研究センターがん情報サービス

 

--乳がんと診断を受けた時、ステージはいくつだったのでしょうか?

 

(津田さん)ステージ 0(初期のがん)でした。

 

 

--初期の段階で早期発見できたのは幸いでしたね。

 

(津田さん)ただ初期とはいえ、がんは広がっていて「乳房を全摘します」と言われ、ショックでした。 最初の診断後から様々な検査を経て、最終的に私はステージ 1 でした。

 

あと数ヶ月や半年遅かったら、 転移していたかもしれなかったそうです。

 



 

--ご主人様からの後押しが大きかったですね。プロポーズはその後どうなったのでしょうか。

 

(津田さん)プロポーズされた後、入籍前に母は私に内緒で、夫に「結婚をやめてもいいのよ」と話したことがあったようですが、夫は「一緒に頑張っていこう」と言ってくれました。そして、その年の年末に仕事を退職し、年明けに入籍しました。入籍の翌月に手術をし、無事に手術は成功となりました。

 

新婚生活がスタートしてすぐの大きな手術。当時はこのような新婚生活は想像していませんでしたね。

 

 

--手術が成功されたこと、本当に良かったです。差し支えなければ、手術にかかった治療費や期間を教えてもらえますか?

 

(津田さん)最初にがん細胞を取る乳房全摘の手術をして、その後、乳房の再建を行ったので、私は 2 回 手術をしています。1 回目の手術は、2 週間入院で、実質 20 万円ほど。2 回目の再建手術は当時、保険適用外の手術だったので2泊3日の入院で 100 万円でした。

 

がんは治療費以外にも、お金がかかります。例えば、通院で病院の予約が朝早いと近くのホテルに前泊することや、朝のラッシュの電車に傷のついた胸で乗りたくないのでタクシーを利用することなど、治療費以外の見えない出費や大変さがあります。

 

 

--術後はどのように過ごされていたのですか?

 

(津田さん)幸いなことに、手術後、数か月して結婚式を挙げることができました。そして、結婚式の 1 週間くらい前に妊娠が判明。遺伝性の乳がんに罹患した私は、もしも子どもが女の子だったらと考えたこと もありました。

 

でも、人間何かしら病気にはなるだろうし、乳がんは早期発見できれば治る確率が非常に 高いので、そんなには悲観的に考えませんでしたね。

 

 

--お子さんとのエピソードはありますか?

 

(津田さん)その後、無事に女の子を出産しました。全摘したのは片胸だったので、子供が小さいときは 反対側の胸で授乳ができました。授乳のときって、皆さん右と左と交互に授乳されるじゃないですか。私は それができないので、寂しく思ったことはありました。

 

子供が大きくなったときに再建した胸をどう思うか考えた こともありましたが、今は娘と一緒にお風呂に入ると「おっぱい、ツルツルでいいね!」「そうでしょう!」なんて 話していますよ。

 

プロポーズ直後に乳がんが発覚。乳がんの手術から 10 年が経ち、今、伝えたい「がん」の話。 「ピンクリボンアドバイザー」津田 絵里子さんインタビュー

七五三での、お子さんとのお気に入りのお写真です。

 

--現在はどのような治療をされて、どれくらいの費用がかかっていますか。

 

(津田さん)術後 10 年経ち、転移などもなく、今は数か月おきの通院や年に 1 回の MRI 検査を受けて経過観察を続けています。費用は年間 10 万円ほどです。費用もですが、乳腺外科、婦人科、形成外 科、遺伝子と、4つの科を受診するのが大変です。

 

 

--乳がん治療に終わり(完治)はあるのでしょうか?

 

(津田さん)一般的な乳がんは 10 年で卒業と言われていますが、私のような遺伝性のがんの場合は、継続的なフォローが望ましいと言われています。

 

 

--がん治療には高額な費用がかかりますね。津田さんは生命保険を契約されていましたか?

 

(津田さん)親が契約してくれていた保険がありました。がんに罹患する前は「こんなにたくさんの保障は いらないでしょ」と言っていましたが、当時は契約してくれた父に感謝しましたね。

 

1 回目の手術では 75 万円ほど給付金を受け取りました。ただ、見直しをせずに古い保障を継続していたので、もし新しい保険にアップデートしていたら再建手術ではより高額の給付が受け取れたようです。

 

女性特有の疾病に対する医療保険はどんどん良いものにアップデートされていますよ。 それから、私の保険は今、保険料払込免除となっていて、保険料を払わずに保障は継続しています。また、もう片方の胸も、今後乳がんに罹患する可能性を考えて、がんに罹患した人でも契約できる保険を追加しました。

 

こういった情報を知らない人がまだまだ多いようで、多くの人に知ってもらいたいと思っています。

 

 

--保険会社でお仕事をされているのも、これまでのご経験が元になっていますか?

 

(津田さん)保険会社で働き始めたのは子育てしながらでも働きやすいことと、乳がんで生命保険のありがたみを感じ、恩返しに近いような感覚で関わることができたらなと思ったのがきっかけです。

 

友人が、私と同じような経験をするかもしれないと思った時に役に立てたらと思っています。

 



--津田さんは、ピンクリボンアドバイザーとしても活動されているのですよね。

 

(津田さん)女性は乳がんだけではなく、子宮頸がんや子宮内膜症のリスクが 20 代から高くなってき ます。女性は男性より早く、自分の身体について考える必要があります。そういうことを娘と同じ子どもたち に伝えていきたいと思っています。

 

今、学校で、中高校生向けに「これからの人生やキャリアのために自分の身体を大切にしましょう」というがん教育認定講師の活動もしています。学生のうちから、大人がしっかり教えなければと感じています。

 

プロポーズ直後に乳がんが発覚。乳がんの手術から 10 年が経ち、今、伝えたい「がん」の話。 「ピンクリボンアドバイザー」津田 絵里子さんインタビュー

津田さんは、がん教育認定講師として教育機関での啓蒙活動をされています。

 

--保険会社でのお仕事やピンクリボンアドバイザーとしてのご活動など、今後の展望をお聞かせください。

 

 (津田さん)今、国から企業へ、従業員に対してがん教育をしなさいという方針が出ています。ただ、できてないところがほとんどなのが現状です。

 

乳がんの治療をすると伝えると、「頑張ってね」と言ってもらえても、術後の乳房再建のとき は「豊胸手術するの?」と言われることも多いそうです。手術後も続く通院や短期入院、乳房再建の修正手術などはまだまだ理解されにくく、 苦労されている人が多いように感じています。

 

お仕事でお会いするお客さま、ひとりひとりにお伝えしているだけでは情報の広がりに限界があるので、これか らも学校や企業など大勢に伝える機会を増やしていきたいです。また、働きやすい環境作りとして、男性にも女性特有のがんについて広く知ってもらいたいと思っています。

 

 

--私から伝えたいのは検診の重要性ですね。日本では9人に1人が乳がんに罹患するというデータがあるにもかかわらず、乳がんや子宮がん の検診率は先進国のなかでも低く、日本では意識の低さが 指摘されていますよね。

 

プロポーズ直後に乳がんが発覚。乳がんの手術から 10 年が経ち、今、伝えたい「がん」の話。 「ピンクリボンアドバイザー」津田 絵里子さんインタビュー

乳がん、子宮頸がん健診の受診率を見ると、先進国の中で日本の受診率は低い傾向です。
【出典】:日本医師会「知っておきたいがん検診」をもとにRicheで編集)

 

--乳がん検診には、マンモグラフィーと超音波の選択肢がありますが、どんな違いがありますか?

 

(津田さん)ピンクリボアドバイザーとして、よくお話ししていますが、超音波とマンモグラフィーは得意不得意があるんですよ。 例えば、授乳経験のない方がマンモグラフィーを受けると、乳腺が授乳で使われてないので、真っ白に映り、がん細胞を見つけるが難しいので、比較的若い方は超音波が合っているのかもしれません。

 

授乳経験 があると、マンモグラフィーでもがん細胞が見つかりやすくなります。 また検診をして死亡率を減らすことができるというエビデンスが取れているのはマンモグラフィーなので、自治体の検診では 40 歳以上に 2 年に1度マンモグラフィー検診が推奨されています。どちらがいいかと言われた ら「どっちもやるのがベスト」ですね。

 

まずは2年に一度のがん検診をしっかり受診すること。そして、ブレストアウェアネスといって、自分で月 1 回は必ず乳房を触って、しこりがないかセルフチェックすることも大切です。特に生理後、 胸が柔らかくなった時にチェックすることをオススメします。 もし異常を感じたら直ぐに乳腺外科を受診しましょう。

 

 

--現代の女性は忙しいですよね。日々の忙しさから、しばらく検診を受診していなかったり、ママは 子どもが優先になり、自分の身体のことは後回しになっていたり、「私はまだ若いから大丈夫」という方も多 いかもしれません。ご自身のお身体を大切にしてくださいね!まずは今すぐできる、セルフチェックから始めてみましょう。

 



 

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この記事を書いたのは

松田 梓まつだ あずさ

ファイナンシャルプランナー。

Riche編集長。

 

大学卒業後、大手通信会社へ総合職として入社し、広報・PRに従事。その後、大手生命保険会社を経て、2019年にファイナンシャルプランナー(以下、FP)として独立。これまで200人以上のお客様の家計相談や資産運用のアドバイスを行う。金融機関での業務経験と広報・PRの経験を活かし、お金に関する記事執筆も多数行っている。

 

2012年から趣味の株式投資を開始。「FPとして難しい資産運用を分かりやすく、楽しく情報発信したい」と2016年に始めた資産運用をテーマにしたブログが人気となり、お金の情報発信により女性のお金の不安を払拭するため、株式投資の売却益を資本金に会社を設立。女性のお金とキャリアをテーマにしたWEBメディア「Riche」を運営。

 

プライベートでは子育てを日々楽しんでいます。

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