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INTERVIEW

【前編】保育士からベビーシッターへ。保育の現場で感じた忘れられないエピソードとは?

INTERVIEW

【前編】保育士からベビーシッターへ。保育の現場で感じた忘れられないエピソードとは?
2023.03.01

【前編】保育士からベビーシッターへ。保育の現場で感じた忘れられないエピソードとは?

インタビュー第1回目に登場いただくのは保育士からベビーシッターへ起業された中村さんです。日本では「ベビーシッターは一部のお金持ち向けのサービスでしょう?」、「ベビーシッターの利用料は高いのでは?」と思われがちですが、実はベビーシッターを利用する際には、さまざまな助成制度や割引があります。

インタビュー前半では、中村さんのこれまでのご経歴とベビーシッターのお仕事を通じて感じた忘れられないエピソードについてご紹介します。

――はじめに。現在、私は株式会社キッズラインのベビーシッターマッチングサービスを通じて公的な助成制度や割引を利用しながら、中村さんに子どもの保育をお願いしています。

 

――改めて、これまでの中村さんのご経歴を教えてください。

 

(中村さん)大学卒業後、福岡県の認可保育園に5年ほど勤務していました。保育園で働きながらベビーシッターのお仕事にも興味を持ち始め、当時は今の仕事も続けなければならないという責任感で悩んでいましたが、家族の看護を通して死生観について考えるようになり「やりたいことをやるなら今だ!」と20代後半で保育園を退職しました。

 

小学校の特別支援学級を担当していた母の影響で、以前から障がいのある子どもの保育にも興味があったんです。母は障がいのある子どもも、そうでない子どもも同じひとりの子どもとして尊重するノーマライゼーションを大切にしており、子どもの個性を丸ごと受け入れるその精神は保育全般に役立つと聞いていました。障がいのある子どもの保育も学び、経験したいと思い、障がい児のコミュニケーションの教室で保育士としてアルバイトを始めました。そこでご縁があり、東京に本社を持つベビーシッター会社の福岡支店の支店長として働くことになりました。

 

東京のベビーシッター会社での研修で東京のご家庭にベビーシッターとして行ってみると、福岡の雰囲気とは全然違いましたね。働く女性が多い東京では、お金持ちの余暇ではなく、SOSとしてベビーシッターを頼む人が多かったです。保護者様からは、「育児でボロボロだったからベビーシッターさんが来てくれて助かった。」と感謝されました。そこで、ベビーシッターを必要としている人はたくさんいると感じたんです。福岡に戻り1年ほど経った頃、また東京本社から声をかけてもらい東京で人事業務をしていましたが、子どもが好きで「子どもたちと触れ合う保育をしたい。」と思い、退職をしてベビーシッターとして起業しました。

 

 

――中村さんにとって、ベビーシッターのやりがいはどのようなものがありますか?

 

(中村さん)たくさんありますよ!まず、子ども一人ひとりと丁寧に向き合うことができるので、子どもとのきずなが深まることです。また保育士と違い、ベビーシッターは家庭に踏み込むので、困ってSOSを出される保護者様から直接感謝されます。保育を通して、保護者支援ができることもやりがいが大きいです。また、お客さまとのマッチング次第ですが、スケジュール調整の自由度が高いことも魅力だと思います。

【前編】保育士からベビーシッターへ。保育の現場で感じた忘れられないエピソードとは?

ベビーシッター中の中村さん

――これまでベビーシッターのお仕事をされてきて忘れられないエピソードはありますか?

 

(中村さん)忘れられないエピソードは、産後うつだったママが元気になったときですね。

 

保育の合間に、産後うつで苦しむママたちのお気持ちが少しでも軽くなるようにと、お話をお聞きしていた時に精一杯になってしまい、お客さまと同じような心境になってしまった時期がありました。そこで、知り合いの保健師への相談や、産後うつの勉強を始めたことで、「私の専門は保育で、保育を通じて、お子さまとそのご家族に愛情をもって接し、安心できる存在になることが私の役目だ」と気付きました。正しい知識を持って支援することの大切さも感じましたね。

ちなみに、産後うつで苦しんでおられたママたちは今、別人のように元気になっていますよ!出会ったときはSOSを出されていましたが、今では「本来は、こんなに明るく元気な方だったのですね!」と笑って話せるようになりました。産後うつは産後の環境の変化や過労、睡眠不足、女性ホルモン値の乱高下が主な原因で誰に起きても不思議ではありません。自分ではどうにもできないので、周囲の協力や頼れる存在がいると心強いです。ベビーシッターにSOSを出されるお客さまも数多くいらっしゃいますよ。

 

以前働いていた保育園では、家庭福祉(親が幸せ=子どもも幸せ)の大切さを肌で感じてきました。ベビーシッターの仕事は保育がメインですが、私は保護者支援も大切にしています。

 

 

――厚生労働省のデータでは10人に1人~2人の割合で産後うつを発症されるようですね。産後うつで苦しんでいたママたちが元気になったこと、同じ母として嬉しく思います。

 

――他にも忘れられないエピソードや大変だったことはありますか?

 

(中村さん)保育中にお子さまとお散歩へ行くときに、保護者様から「ご近所の方に、『ママはどうしたの?』、『今日は違う人とお散歩しているね』などと話しかけられたら、『親戚です』と答えてほしい」と言われたことがありました。理由は「ベビーシッターを利用していると育児をさぼっていると思われそうだから」ということでした。育児はひとりでするものではなく周囲の協力を得ながらするものだということが浸透し、ベビーシッター文化がもっと身近なものになってもらいたいです。

 

――このエピソードを聞いたときに驚きました。私は中村さんにベビーシッターをお願いして、育児とキャリアのバランスが取れてリフレッシュもできているので、ベビーシッター制度に感謝しています。日本でもベビーシッター文化が根付いてほしいですね。

 

――インタビュー後半では、ベビーシッターの利用時に使える助成制度や割引のご紹介、ママやパパたちに向けたメッセージをお聞きします。

 

 

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この記事を書いたのは

松田 梓まつだ あずさ

ファイナンシャルプランナー。

Riche編集長。

 

大学卒業後、大手通信会社へ総合職として入社し、広報・PRに従事。その後、大手生命保険会社を経て、2019年にファイナンシャルプランナー(以下、FP)として独立。これまで200人以上のお客様の家計相談や資産運用のアドバイスを行う。金融機関での業務経験と広報・PRの経験を活かし、お金に関する記事執筆も多数行っている。

 

2012年から趣味の株式投資を開始。「FPとして難しい資産運用を分かりやすく、楽しく情報発信したい」と2016年に始めた資産運用をテーマにしたブログが人気となり、お金の情報発信により女性のお金の不安を払拭するため、株式投資の売却益を資本金に会社を設立。女性のお金とキャリアをテーマにしたWEBメディア「Riche」を運営。

 

プライベートでは子育てを日々楽しんでいます。

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